M田の日記

M田の日常と1/3の純情な感情を綴る日記

『例えようのない言葉たち』




例えようのないこの感覚を、
僕はどうやって現せばいいのだろう

例えようのない歪さを
僕はどうやって伝えればいいのだろう

例えようのない情動を
僕はどうやって飲みこなせばいいのだろう



昨日を想い耽れば後悔で、
明日に想い馳せれば希望で、


いつも誰かになりたくて
いつも隣の芝生は青くて
いつも誰かを想ってて
いつもどこかを目指してて
いつもその距離に泣いて
いつも見えない何かに追い立てられてる



現実に身を置けば、自分のちっぽけさなんて明らかで
高望みも淡い夢も遠く果てしなく広がるのに
実際は遠い、果てしなく遠い

いつもここじゃないと嘆いて
いつも違うどこかを見てて
いつも俗世間には身の置き場がないようなそんな感覚の中で生きていて

不純物を沈殿させて
ろ過された水面の上澄みだけを汲み取って
淡く甘い感覚の中でだけに身を委ねたいと願ってて

いつかそれは叶うことなく消滅することすらもわかって
てそれでもいつかを夢見て期待して茫漠とした時間の中で混沌とした思考の中でもがいてもがいて這い出た道しるべを路頭に迷いながらも歩き出す


人生は奇妙で奇怪で
人間は奇妙で奇怪で

勝手に自分たちの中だけで付けたカーストの中で勝者敗者を決めて泣いて喚いて人の不幸を笑ってほくそ笑んで

そんなのハタから見たらかわりなんてないのに
そんなの外側から見たら何の役にも立たないのに
みんな足並みを揃えてないといつも除外してそっぽを向いて
だからそのような側の立場の者も最初からいらないような顔をして心を閉ざして耳を塞いで
壁を作ってるってことに気付かない

世界なんてそこだけじゃないのに
真実なんてそこだけじゃないのに
あたかもそれが全てのような
あたかもそれが正しいような
それ以外の道はありえないと言わんばかりの顔をして
井の中の蛙に気付かない

勝手に各々が
自分たちが正義だ
と思ってて
勝手に各々が
自分たちが社会の秩序
と思ってて
勝手に各々が
自分たちが世界の中心
だと思ってて

そばにいる人に気付かない
そばにいる優しさに気付かない
そばにある幸せに気付かない
そばにある平穏に気付かない
近すぎて見えてない
遠すぎて見えてない

誰が決めたものさしかも
誰が決めた秩序なのかも
誰が決めたルールなのかも
どういう意図だったかも
そんなの君たちにはどうだっていいのだろう


研ぎ澄ましておきたい感覚も街の喧騒に消えるなら
留めておきたい感覚も車のエンジン音に消えるなら
残しておきたい追憶も人々の他意に消えるなら

僕はどうして此処に存在しているのだろう



僕は君じゃないのに
君も僕じゃないのに
貴方は誰でもなくて
私も誰でもないのに

損とか得とか
優とか劣とか
好きとか嫌いとか
考えるだけ無駄なのに




日常をただ生きるっていうことが
見失って汚れてしまうことならば


人生ってすごく退廃的
甘美の中を蠢くデカダン




今を生きるって
明日を生きるって

甘くて怖い
甘美と恐怖

あとそれと
少しばかりの希望と憎悪